【初心者必見】資産形成に役立つ基礎知識を解説|日本大学 三井秀俊教授にインタビュー

資産形成に興味はあるものの、どのように始めれば良いのか、何に投資すべきかわからず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、日本大学の三井秀俊教授に、資産形成の基本から各投資手段の特徴まで詳しく解説していただきました。

日本大学の三井秀俊教授

三井 秀俊
日本大学経済学部教授

東京都立大学助手、日本大学経済学部専任講師・助教授・准教授を経て、
2015年より同大学経済学部教授。埼玉大学大学院客員教授。博士(経済学)。
株式市場・デリバティブ市場・外国為替市場の計量分析を専門としている。
著書に『オプション価格の計量分析』、『ARCH型モデルによる金融資産分析』などがある。


本記事では、株式投資やFX、暗号資産などの特性を比較しながら、初心者が無理なく資産形成を始めるためのポイントを紹介します。

これを読むことで、あなたの状況に合った投資手段の選び方や、リスク管理の基本が身につき、長期的な視点での資産形成が可能になるでしょう。

目次

1.資産形成の基本

最初に資産の定義を考えてみましょう。

ここでは、一般的なサラリーマンや個人事業主を想定します。

資産とは、個人が所有する財産であり、将来的に金銭的な収益をもたらす可能性がある有形資産や無形資産のことを指します。

具体的には、現金や預貯金、有価証券、保険商品、不動産、金(ゴールド)、自動車、パテントなどがあります。

資産形成とは、これら資産を合理的・効率的に増やしていく取り組みのことを言います。

一般の人が資産形成をするうえで最初に考慮することは、投資に回せる余裕金額がどのくらいあるか確かめることです。

資産を保有していても、日々の生活にことを欠くようであれば意味がありません。

また、自動車などをローンで購入してしている場合には資産に含めるかどうかは意見が分かれるところです。

預貯金の利息や株式の配当などのように、将来的に、一定の収益が定期的に入る資産が理想的だと言えるでしょう。

2.株式投資を活用して資産形成を始める

現在の日本では、金利が上昇しているとはいえ、一般の人が預貯金で資産形成を行うことは難しいと思います。

不動産投資に関しても、初期投資にかかる費用が大きく、購入後の管理なども大変なので、誰でも手が出せる投資ではないと思われます。

資産形成をするうえで、少額から誰でも可能なものとしては株式投資が挙げられます。

今日では、日本の株式のみならず世界中の株式に低コストで投資することができます。

また、ETF(上場投資信託)を利用すると個別企業の株式だけでなく米国の株価指数のダウやS&P500、日本の株価指数である日経平均やTOPIXへ数万円から投資することもできます。

これらは将来的に配当・株主優待などの収益をもたらしますので、理想的な資産であるといえます。

ただし、一般的に株価の変動は大きく損失を出すこともあります。

外国の株式に投資する場合には外国為替相場のリスクもあります。どのようなリスクがあるかを把握して投資する必要があるといえます。

3.FX(外国為替証拠品取引)を活用して資産形成を始める

FX(外国為替証拠品取引)は証拠金を金融業者に預託しての差金決済による外国通貨の売買を行なうものです。

日本では一般的にFXと呼ばれますが、日本語の正式名称からも分かる通り、実際には証拠金取引をしているということを理解する必要があります。

通常、米ドルなどの海外通貨を資産として保有するときには、外貨預金か債券を購入します。

米ドルであれば、米ドル預金か米国債の購入になります。これらは、資産と呼んでも問題ないと思います。

FXを資産として考えて良いのかは議論の分かれるところだと思います。

レバレッジ一倍で、スワップポイントが黒字、当該通貨に換金が可能ならば資産として考えても良いかもしれません。

高いレバレッジ、スワップポイントが赤字、当該通貨に換金できない差金決済のみの取引を行なっている場合、資産といえるかどうか疑問です。

FX取引を否定しているのではなく、資産形成をするうえでの資産として考えた場合、適切かどうかを十分に考えて頂きたいと思います。

4.株式投資と外国為替取引、資産形成するならどちらがおすすめ?

資産形成からの観点からいうと株式投資をおすすめします。

FX取引を別の観点からみると、2国間の通貨の交換比率を取引していることになります。

通貨そのものではありません。米ドルを資産として保有したいなら米ドル預金か米国債を購入すべきです。

あるいは、米国の個別企業の株式や米国株価指数のETFを資産として購入するのが良いと思われます。

そのため、資産形成の対象としては、日本株や外国株が適切だと考えます。

もちろん、外国株に投資する場合には為替リスクがあることを忘れないでください。

株式投資を行なう際にもFXと同様に信用取引でレバレッジを最大3.3倍まで掛けて取引することは可能です。

しかしながら、資産形成を行ううえでは、信用取引には手を出さず、現物のみで運用するようにしてください。

株式もリスク資産の一つなので、必ずしも将来的に資産形成の一助になるわけではありません。

株式を運用するうえでも、リスク管理を怠ることのないように気を付けてください。

5.仮想通貨取引は資産形成の手段となり得るのか?

暗号資産(仮想通貨)はインターネット上で取引できる財産的価値であり、代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアム、リップルなどがあります。

結論としては、資産形成の手段になり得ると考えられます。

価格の動きは株式などのリスク資産と同じように動いています。

ただし、株式やFXよりもボラティリティが高いので初心者向けではありません。

裏付けとなる資産や指標となるものがないため、株式やFXよりもテクニカル分析が当てはまりやすいといった性質もあります。

需給関係が主な要因で価格が決定されやすいものと考えることもできます。

株式と同様に時価総額が大きく、取引量が多い暗号通貨を選ぶのが良いと思います。

資産形成のうえでは、資産ポートフォリオの一部に何割かの暗号資産を持つことは分散投資の観点からもお勧めできると思います。

現在では、ビットコインETFも上場されていますので、個別の暗号資産を購入するよりも手軽で効率的に投資ができる手段も現れています。

最後に

資産形成は一朝一夕で成果が出るものではなく、正しい知識と長期的な視点が重要です。

三井教授が指摘するように、投資に回せる余裕資金の把握から始め、株式投資を中心としたポートフォリオ構築を検討してみましょう。

リスク管理を怠らず、自分の状況に合った投資方法を選ぶことが成功への鍵となります。

資産形成の第一歩として、この記事の知識を活かし、将来の経済的安定に向けた取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

FinanceTech合同会社は、金融と技術で未来を創造する会社です。
金融コンサルティング事業をはじめ、FXツールの開発や提供、メディアの運営、インタビュー事業をメインに行っています。
当社の強みは、金融領域に特化したメンバーで編成されていることです。
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